「耳の聞こえない作曲家」として知られていた男性が、記者会見を開き、「うそをついていた」と謝罪して、メディアをにぎわせた。
この件については、正直そんなに大きなことだと思っていないし、彼に対して言いたいことは特にない。周囲の聴覚障害者も無関心だ。
何故なら、男性は聞こえる人の間で有名だっただけで、手話の世界での人間ではなかったからだ。
ただ、特に男性を大々的に取り上げたメディアに一つだけ言っておきたいのは、日本の聴覚障害者手帳取得の基準は、国際的にみればとても厳しいということ。
会見で、男性が公表した診断書を見て「聞こえるという結果が出ていますよね」と迫った記者がいたが、日本の法律上、「聴覚障害者手帳を取得する人」に該当しないからといって、聴覚に不自由がないとはいえない。海外では男性も障害者に該当する可能性はあるのだ。
日本ではまだ「障害者イコール、支援を要する人」という意識が根強く、逆に障害者でなくなった瞬間に、一切のサポートがなくなってしまう。
だからあえて「ビジネス」で問題解決を目指そう、と僕は思う。
オンライン手話辞典「スリント」では、新製品に対する手話の命名権を公募することで、新製品を開発した企業からキャンペーン費用をいただいている。
手話、字幕、音声による観光案内アプリ「シュワイド」は、聞こえる人と聞こえない人が一緒に楽しめるアプリとして、使われている。
どちらも事業としての収益を上げながら、社会問題を解決しようとするものだ。
シュアールが目指すのは、耳が聞こえないがために夢をあきらめる必要のない社会。
それは、聞こえる人も聞こえない人も、同じように多様な選択肢を与えられた社会であるはずだ。
(大木洵皮脂・シュアール代表、談)
以上は、http://tkgb.seesaa.net/article/401659275.htmlからの引用です。
色々と考えさせられる内容です。