耳が聞こえる人が大多数であるこの社会には、手話や聴覚障害者について、さまざまな誤解が存在する。
「聴覚障害者はみんな手話が分かる」というのもその一つだ。
聴力を失う家庭や原因は人それぞれ。生まれつきの場合もあれば、病気や事故で突然聞こえなくなった人もいる。
重度の聴覚障害者でも、手話を使っている人は3割に満たないという過去の内閣府の調査結果もある。
また「日本の手話は、日本語の文法と同じ」というのも違う。
手話は”3D”の言語だ。
しゃべるスピードに手話がついていけるのは、空間に単語を置きながら話を進めるから。
例えば、会話の中で「学校」という単語が出てきたとしよう。初回は空中に手話で「学校」を示し、2回目からはそこを指さすだけでいい。フローチャートのようなイメージだ。
だから、図形に強い人は手話がうまいことが多い。
手話には「てにをは」もないので、手話を母語とする聴覚障害者と筆談しようとしても、相手の文章の意味がよく分からない、ということもあり得る。
きちんとした教育を受けられず、日本語が定着していない高齢の聴覚障害者の中には漢字が苦手な人もいるが、平仮名に直せばいい、というのも間違い。漢字を読みで認識していないことが多いからだ。
もちろん僕自身も、手話を学んで初めてこうした事実を知った。
仕方がないことだが、少しずつでも理解が進んでほしい。
聞こえる人が手話を学ぶツールにと開発した、オンラインの手話辞典「スリント」のキャッチコピーは「Sign Language for everyone and everything」
世の中の全ての人と物に手話を、という意味だ。
(大木洵人・シュアール代表、談)
以上は、http://tkgb.seesaa.net/article/401655772.htmlからの引用でした。
色々と考えさせられる内容です。