通訳者派遣、飲み会でもOK

兵庫県西宮市を拠点に活動するNPO法人「聴覚障害者自立生活センターLIC」が10月から、京阪神在住の聴覚障害者に、無料で通訳者を派遣する「パーソナル通訳プロジェクト」を始める。結婚式の2次会や仲間うちの飲み会などもOK。行政の制度外への無料派遣は全国的にも珍しい。同法人は「聴覚障害者がさまざまな場に参加するきっかけにしてもらいたい」と意気込む。(太中麻美)

 聴覚障害者は、国や自治体の通訳派遣制度を利用できる。だが、派遣できる場面は講演会、冠婚葬祭や役所の手続きなどに限られる。また、結婚式では可能でもその後の2次会は認められないなど制約が多く、不十分な状況だという。

 LICは2010年、聴覚障害者の社会的自立を目的として設立。有償の通訳派遣や、公的制度の改善を行政に訴える活動を続けている。

 今回始める無料派遣は、キリン福祉財団(東京都中央区)の助成制度を受けて実現した。対象は兵庫県内の神戸市以東(川西市、猪名川町を除く)と、大阪市や京都市などに住む個人で、公的制度が利用できない場合。通訳の種類は手話、パソコン筆記、復唱などが用意できる。

 ただし、助成の関係で実施期間は来年3月末まで。同法人は利用頻度や場所、内容などのデータをまとめ、財政援助がなくてもできるよう、制度改善を西宮市などに求めていく。

 担当スタッフの田中息吹さん(27)は「個人通訳が気軽に使えるようになり、聴覚障害者がコミュニケーションを我慢する場面がなくなってほしい」と期待する。

 23日には西宮市総合福祉センターで記念フォーラムを開催。高松市在住の聴覚障害者、池川洋子さんが講演する。池川さんは、娘が進学を希望する専門学校のオープンキャンパスへの手話通訳派遣を同市に却下され、取り消しを求めて裁判を続けている。

 制度の説明や交流会もある。午後1時から。無料。LICTEL0798・34・5933、ファクスは0798・61・2447

以上は、http://tkgb.seesaa.net/article/293546447.htmlからの引用でした。

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