「シュアール」の起業に際し、「Tech for the Deaf(聴覚障害者に技術を)」というスローガンを掲げた。
厚生労働省によると、「聴覚・言語障害」に該当する人は、推計約32万4千人(2011年時点)。
人数は少なくないのに、各地に点在しているため、支援は十分ではないのが現状。でもITを使えば、この物理的なハードルは越えられるはずだと考えた。
そこで開発したのが「モバイルサイン」という遠隔手話通訳。ビデオで会話ができるソフトを使い、シュアールに待機している手話通訳者が、パ祖国やタブレット端末の画面を通史で手話通訳を行うシステムだ。
誤解されがちなのだが、筆談という方法は聴覚障害者にとって万能ではない。例えば、119番。各市町村の役所や救急センターがファクスで受けているが、急病人を前に気が動転している時に、果たして状況を正確に文章にできるだろうか。やりとりに時間がかかれば命とりになってしまう。
それに、ここまで深刻でなくとも、筆談で買い物をすることを想像してみてほしい。靴を買う時、本当は流行のデザインや色も知りたいのに、店員と必要最低限のやりとりしかできなかったら。生活の質(QОL)が、どれほど下がるだろう。
今も記憶に残る、こんなケースがある。モバイルサインを初めて利用した60代男性が「すしの出前がとれるかむと聞くので、「もちろん」と答えると、男性は不思議そうにすしを注文した。
30分後。再び、コールがあり、すしを手に「本当に届いた!」とうれしそうに報告してくれた。
家族全員が聴覚障害者で、それまで出前をとったことがなかったそうだ。
(大木洵人・シュアール代表、談)
以上は、http://tkgb.seesaa.net/article/401129579.htmlからの引用です。
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